「日本ピューリタニズム学会」設立宣言

ピューリタニズムの研究は、第二次世界大戦後から今日に至る六十年の間に、大きな発展を見てまいりました。最近のイギリスやアメリカにおける研究の成果は目ざましいものがあります。日本においても研究者の層は厚くなり、翻訳書、著書、研究論文などを見ても、学界に注目すべき現象とも言えるほどになってまいりました。ピューリタニズムそのものの研究のみならず、ピューリタニズムとヨーロッパとの関係やアメリカとの結びつきも含めて、思想史、経済史、社会史、政治史、教会史、文学史など、ピューリタニズムとも関係ある諸分野の研究活動もすでに顕著なものがあります。このような状況を見て、このたび、研究者の知的交流によって研究上の成果や情報を分かち合い、同学の交わりを深めつつ研鑽の推進をはかりたく願い、ここに「日本ピューリタニズム学会」を設立することになりました。

この「日本ピューリタニズム学会」は、あまり狭くピューリタニズムの研究のみに限定されることなく、元来イギリス十六・七世紀は近代社会形成のうねりの先駆的現象と見られており、とくに、日本におけるピューリタニズム研究がマックス・ヴェーバーによってその関心を呼び覚まされたこともあり、ヴェーバーがもつ世界史的視野からしてたとえばモダナイゼーションやグローバライゼーションの諸問題との関わりをも意識し、その方面に関心のある研究者諸氏の参加も得て、この学会の発展を期したく思います。

以上、「日本ピューリタニズム学会」設立の趣旨を述べ、ここに参集されたご一同の賛同を得たく思います。

2005年4月

「日本ピューリタニズム学会」設立準備委員会一同